歯を抜かない歯科治療を希望される方は虫歯にならないように虫歯予防をお考えになられるとよいと思います。
虫歯予防は単に歯ブラシやクリーニングだけではなく、食生活が重要です。
たとえば、炭酸飲料や酸性の食品は(グレープフルーツジュースなど)は飲む時間帯も重要になります。寝る前に飲んで寝ることは歯を溶かしてしまいますのでお勧めしません。
矯正治療をされる場合、歯並びが大きく重なってしまっていたり、あごが小さい場合、歯を抜くと診断されることがあります。特に成人の方の矯正治療の場合、歯を並べたいところに骨がないと歯茎が下がってしまうため、拡大できないということも考えられます。
ただ、歯を抜かずに並べるよう、あごの骨を拡大する方法が開発されています。急速増骨矯正法という方法ですが、小さい顎を広げながら矯正治療を行うので、歯並びが悪く重なってしまっている歯を抜かずに治療できる範囲が広がりました。
歯を抜きたくない方には急速増骨矯正法が一つのきっかけになるかもしれません。
歯を抜くあるいは抜けてしまう原因で今一番多いのが歯周病によるものです.
歯周病にかかって歯の周囲を支える骨が無くなってしまうと歯が揺れてしまい、歯茎の内部に細菌が侵入してしまって炎症が歯茎の内部深くでおこります.歯の周囲の骨のほとんどが吸収してしまった場合は歯を抜かなくては行けない場合もあります.
歯の内部まで虫歯になってしまった!!
差し歯が取れて歯に大きな穴が開いたところを見ると真っ黒になってしまっているといった場合、多くのケースで歯を抜くことになってしまっています。
ただ、慎重に虫歯を取り除き、歯茎の炎症を取ることで歯を残せる場合があります。
今回は、深い虫歯ができた時に歯を残す方法についてご説明いたします。
歯科では、差し歯が外れてしまって再治療を行う事ってよくあります.
この時、差し歯の内部に虫歯が進行してしまっていると歯を抜いた方が良いという説明を受ける事があります.
何が何でも歯を残したいと言う方は別として、歯を抜いた方が身体に良い場合があります.
もちろん基本的に歯を抜かない治療を行う方が良いのは変わりません.ただ、1本の歯を残すことで、周囲の歯が悪くなってしまう場合もありますので、お口の中全体でより多くの歯を残すことが大切だと思います。
ご存知の方も多いかと思いますが、8020運動という有名なキャンペーンがあります。この場合でも8本までなら抜けても何とか噛めるでしょうという話です。実際は、8本抜けてしまうとかむ力が弱くなってしまいます。ただ、1本の歯を何としてでも残すというより、お口の中全体に健康を維持することを優先することが大切だと思います。
よくいただくご質問に、歯がなくても大丈夫ですか?というものがあります。
非常にお答えしにくいご質問です。大丈夫?は人によってちがうからです。
前歯が1本なくても大丈夫という方もいらっしゃいますし、奥歯がなくても全然よく噛めるので大丈夫とおっしゃる方もいらっしゃいます。
健康的な生活を送りたいとお考えの方である場合は、基本的には歯がなくなったら代わりになる歯を入れるようにお伝えしております。特に歯周病が進行している方は、1本がなくなった後継続的に歯を失ってしまうことが多いためです。歯がないまま放置してしまって、以下のような症状が出始めたら歯を入れることを真剣に考えられる方が良いと思います。
歯がなくなってしまって以来他の部分の歯にも、ものが詰まりやすくなった
歯並びが変わってきた。特に前歯が出てきた感じがする
食事をする時に噛みにくい場所がいくつかある
歯が揺れている
野菜が取りにくくなった
歯の根っこの先に炎症があるため歯を抜くと言われた方の根っこの再治療例です.左側が最初の状態です.根っこの先に骨が吸収して黒い丸い像が見えますが,根っこの中を消毒する事で根っこの先の黒い丸が右側の写真では無くなっています.炎症が無くなっていますので歯を抜かずにそのまま残す事ができました.
抜かないでよいなら歯を抜きたくないという方が大半だと思います。抜いてインプラントを入れたほうが良いというのは基本的に無いです。
歯を極力抜かずに済む歯科治療もあります。
ただ、こんな歯は抜いた方が良いというケースもあります。
歯を残す治療を基本的にはお勧めしていますが,状況によっては歯を抜いた方が良い場合もあります.歯を抜かれたという後悔をされないように、しっかりと歯を抜ことになってしまう場合もご自身で状態を確認して判断される事をお勧めします.
歯を抜く前に残せないか確認するためにCTを撮影する場合があります.
歯を抜くかあるいは残せるかの判断は最終的にCTを取ることで直接目で見えない部分までミクロ単位で確認することができます。歯の周囲の状況が3次元的に確認できるため、今まで想像や経験で判断していた部分がしっかりと確認できることも増えました。